理学療法士 国家試験復習&臨床まとめ

国家試験の解答と解説をnoteも用いながら行います.自己学習の意味も兼ねてです.また,研修で学んだことなども随時のせていきます.疑問や,意見などございましたらよろしくお願い致します.

臨床

ボタン穴,スワンネック変形について

○ボタン穴変形:buttonhole deformity ・手指の肢位異常のひとつ ・PIP関節の屈曲位,DIP関節の過伸展位を呈する変形 ・PIP関節背側部伸筋腱の中央索が断裂して側索が掌側方向に移動することによる ・関節リウマチに多発 ○スワンネック変形:swan-neck defor…

大腿方形筋:quadratus femoris muscle

○起始:坐骨結節の外面 停止:大転子後面下部の転子間綾 支配神経:仙骨神経叢 髄節:L4~S2 作用:股関節の外旋,内転 筋連結:外閉鎖筋(腱),外側広筋(腱膜) ○解剖学的特徴 ・後方からみて,大殿筋の深層に位置する ・下双子筋のすぐ下方を横走する方…

投球障害肩 原テストについて

原テストの11項目 ①SSD:scapula spine distance ・肩甲骨の偏位をみる:肩甲骨の内側縁と脊椎棘突起の間を計測し,左右差を評価 ②CAT:combined abduction test ・肩関節外転角の計測を肩甲上腕関節の角度として捉え,肩甲骨を徒手的に固定して 上肢を外転…

短母指外転筋:abductor pollicis brevis muscle

○起始:舟状骨結節,大菱形骨,屈筋支帯の橈側前面 停止:母指の基節骨底および橈側にある種子骨 支配神経:正中神経 髄節:C6~7 作用:母指の外転 筋連結:短母指屈筋(屈筋支帯),長母指外転筋,母指対立筋(屈筋支帯), 小指外転筋(屈筋支帯),小指対…

ばね指(弾発指):trigger finger(snapping finger)

○好発:手指をよく使う人,中高年の女性(更年期や女性ホルモンの影響) 糖尿病,関節リウマチ患者,透析患者 ※生涯での発生率は3% ・指の屈筋腱の腱鞘炎で腱に腫脹が起こると中手指節間関節(MP関節)の部分で摩擦 が増す ・これにより運動の途中で指がひっ…

短母指屈筋:flexor pollicis brevis muscle

○起始:浅頭;屈筋支帯の橈側端 深頭;大菱形骨,小菱形骨,有頭骨 停止:母指の基節骨底および橈側にある種子骨 支配神経:浅頭;正中神経 深頭;尺骨神経(掌枝の深枝) 髄節:浅頭;C6・7 深頭;C8・Th1 作用:母指の屈曲 筋連結:短母指外転筋(屈筋支帯…

瘢痕とケロイドについて

瘢痕:scar ・欠損した組織が本来の細胞 ・組織によって補充されず,結合組織により置換される →この結合組織をいう ・創傷治癒などで形成される肉牙組織は瘢痕組織となる ・瘢痕組織は収縮するが完全に消失することはない ケロイド:keroid ・創傷治癒の過…

母指内転筋:abductor pollicis muscle

○起始:斜頭;有頭骨,小菱形骨,中指および示指中手骨底掌側 横頭;中指中手骨の骨幹掌側面 停止:母指の基節骨底および尺側にある種子骨 ○神経:尺骨神経(掌側の深枝) 髄節:C8,Th1 ○作用:母指の内転,対立(屈曲) 手根中手関節の内転,中手指節関節…

筋間中隔(Intermuscular septum)について

・一部はグレープフルーツの房の壁のように表層から深層まで走り,アウターバックを インナーバックとつないで実際の身体そのものである単一の筋膜バルーンにする ※アウターバック:筋を囲む インナーバック:骨をつつむ 骨膜,関節包 →この2つをつくるバッ…

ヒラメ筋:soleus muscle

○起始:腓骨頭から腓骨後面ならびに脛骨ヒラメ筋線(脛骨内側縁) 停止:腓腹筋とともにアキレス腱を構成し踵骨隆起 ○神経:脛骨神経 髄節:L(4)5-S1(2) ○作用:足の底屈 ○解剖学的特徴 ・ヒラメ筋は腓腹筋の深層で下腿後面のほとんどの領域を占める ・…

アキレス腱炎(achilles tendinopathy,paratenonitis)について

○病態 ・アキレス腱自体の炎症 ※1 アキレス腱周囲炎:アキレス腱の腱傍組織であるパラテノンの炎症 ※2 アキレス腱実質部は血行が乏しく炎症は生じにくいが,過度の負荷や加齢変化 で変性を生じる ・スポーツ障害やオーバーユース(使いすぎ),加齢変化など…

後脛骨筋:tibialis posterior m.について

○起始: 脛骨,腓骨の骨間膜側,下腿骨間膜後面の上半 停止:特に舟状骨粗面,内側楔状骨, 第2~4中足骨底,3楔状骨,立方骨 ○神経:脛骨神経 ○髄節:L5-S1(2) ○作用:足の底屈,内がえし ○解剖学的特徴 ・後脛骨筋,長趾屈筋,長母趾屈筋は後深層コンパ…

腰椎の屈曲について

○立位での前屈動作は日常生活で最も頻繁に行われる動作 ○前屈運動の順番 ①両側の股関節の屈曲と同時に骨盤が後方へ移動(支持基底面内に重心を保つため) ②両側の股関節が屈曲し始め,腰椎は前弯を減じる(弯曲が逆転する) ③腰椎弯曲の逆転が終了した後,残…

上腕骨内側上顆炎:medial epicondylitis of humerus/medial epicondylitis

○病態 ・野球,ゴルフなどの腕の使い過ぎによる.日常生活での使いすぎで生じることも ある ・肘の内側に痛みが起こる ・ゴルフ肘ともよばれ,上腕骨の内側上顆に付着する円回内筋や手関節の屈筋群の 腱,筋腱移行部に炎症や変性が生じる ※変性変化は円回内…

足関節の外側側副靱帯について

○前距腓靱帯:Anterior TaloFibullar Ligament;ATFL 起始:外果の前方 停止:距骨体から頸部への移行部(外側部) ○踵腓靱帯:CalcaneroFibullar Ligament;CFL 起始:外果の遠位 停止:踵骨の外側部 ○後距腓靱帯:Posterior TaloFibullar Ligament;PTFL 起始…

上腕三頭筋について

○上腕三頭筋:triceps brachii muscle 起始:長頭;肩甲骨関節下結節 外側頭;上腕骨後面(上腕骨近位背側面で橈骨神経溝よりも近位) 内側頭:上腕骨後面(上腕骨近位背側面で橈骨神経溝よりも遠位) 停止:尺骨肘頭 ※上腕三頭筋内側頭は肘関節後方関節包 …

急性頸部痛(寝違い)について

○頸部痛をきたす疾患:頸部の痛みをきたす疾患をその特徴別に整理してみると, 次のようになる ・痛みの発症 ①急性:急性頸部痛(寝違い),頸椎椎間板ヘルニア,化膿性脊椎炎 ②慢性:頚椎症,頸椎椎間板症 ○急性頸部痛(寝違え,寝違い,椎間関節ロック) …

脊柱の運動について ~ロベット・ブラザー~

・人間は大きな脳を支えるために2足歩行となり地軸に垂直に,そして水平に保つよう に進化した ・そのために体のどこかに歪みができると,脊柱は脳のバランスをとるように比例 または反比例して歪む 脊柱の運動について 脊柱の運動について|PT51108005|note

中殿皮神経について

○体幹後壁における体表の脈管と神経 上殿皮神経:腰神経(L1-3)の後枝 中殿皮神経:仙骨神経(S1-3【4】)の後枝の外側皮枝 上後腸骨棘と下後腸骨棘の間で後仙腸靱帯を貫通し,腰殿部後内側へ 向かって走行する 腸骨下腹神経の外側皮枝 下殿皮神経:仙骨神…

骨粗鬆症治療剤 ボナロンについて

○アレンドロネートの作用機序 Step1:BPs(ビスホスホネート)はハイドロキシアパタイトに高い親和性を有する. 生体内に投与されたALN (アレンドロネート)は,骨吸収面に露呈する ハイドロキシアパタイトに結合すると考えられている Step2:ALN の骨組織…

膝蓋靱帯の解剖

○膝蓋靱帯:Patellar ligament ①起始停止 起始:膝蓋骨下端(大腿四頭筋の続き) 停止:脛骨粗面 ②解剖学的特徴 ・大腿四頭筋腱の続きであり,膝蓋骨の下部から起こって脛骨粗面に付く強靭な 線維束をいう ・膝蓋骨に付く上端は幅広く,脛骨粗面に付く下端に…

後頭下筋群 ~小後頭直筋について~

小後頭直筋:Rectus capitis posterior minor m. 1.起始停止 起始:環椎後突起 停止:下項線 神経:後頭下神経 髄節:C1の後枝内側枝 作用:環椎後頭関節の伸展 片側が働くと,同関節を同側へ側屈 筋連結:大後頭直筋(腱)と連結している 2.解剖学的特徴 …

末梢性神経障害性疼痛治療剤について

○神経障害性疼痛緩和薬(プレガバリン:Pregabalin リリカ:Lyrica) ・神経障害性疼痛の第一選択薬 ・適応:①神経障害性疼痛 ②線維筋痛症 ・薬物動態:300mg空腹時内服 5.8時間 ・使用上の注意:投与中止時は少なくとも1週間以上かけ徐々に減量, 眼障害の…

疼痛に対するニューロリハビリテーションアプローチについて①

○ニューロリハビリテーションとは ・神経系の損傷,あるいは疾患によって起こる機能障害の回復を最大限に引き起こす 臨床専門分野 ・ニューロサイエンスを基盤に,あるいはそれと連携しながらリハビリテーション 療法を考案,介入し,その効果を検証する手続…

仙腸関節障害について①

○仙腸性腰痛について ・昔は仙腸関節は動かないとされていたが,現在はロボット工学の観点からも 仙腸関節が動くことでキレイに歩けるとされている ・共通した疼痛自覚域は,仙腸関節裂隙の外縁部(上後腸骨棘から頭・尾・外側に 帯状に広がる領域)+分節的…

外傷後のFasciaについて①

○大腿骨転子部骨折の大腿外側痛 ・歩行再獲得の重要性→術後1週間が重要 ※歩行再獲得が遅れる症例がいる ①患肢荷重率が低下 ②疼痛 ③膝関節屈曲制限を呈していることがある ・大腿外側組織の滑走性低下により生じることが考えられる ・エコー画像で確認しても …

Fascia(ファシア)について

○概念・定義 日本整形外科内科学研究会によると, 1.fascia(ファシア)は「線維性の立体網目状組織」であり、以下の3種を含む 概念である: ①システム(系)『fascia system』 ②マクロ解剖の臓器(構造)『A fascia』 ③ミクロ解剖の線維『fibrils』 2.国…

長母指屈筋の筋機能の特徴

長母指屈筋:Flexor pollicis longus m. 1.起始停止 起始:橈骨前面、前腕骨間膜 停止:母指末節骨底 神経:正中神経 髄節:C6~7、(8) 作用:母指の屈曲(主にIPの屈曲) 手関節の掌屈 筋連結:深指屈筋(骨間膜),円回内筋(腱膜),回外筋(骨間…

腰痛の服薬について

○腰痛の定義 腰痛診療ガイドラインによると 1)部位:体幹後面に存在し,第12肋骨と殿溝下端の間にある. 少なくとも1日以上継続する痛み. 片側,または両側の下肢に放散する痛みを伴う場合も, 伴わない場合もある ※2012年のガイドラインと比較して,下肢…

母指CM関節変形性関節症について

○第1中手骨と大菱形骨がつくる母指CM関節に生じる変形性関節症 ※母指CM関節は,他の指の手根中手関節よりも可動性が 大きいため,関節変化が生じやすい ○関節は鞍関節であるため,屈伸と内外転が可能 ○内転対立位,Grip,tip pintch(指尖つまみ)では安定し…