腰椎の屈曲について
○立位での前屈動作は日常生活で最も頻繁に行われる動作
○前屈運動の順番
①両側の股関節の屈曲と同時に骨盤が後方へ移動(支持基底面内に重心を保つため)
②両側の股関節が屈曲し始め,腰椎は前弯を減じる(弯曲が逆転する)
③腰椎弯曲の逆転が終了した後,残りの運動は股関節によって行われる
※最大前屈位での腰椎はまっすぐまたは平坦でなければならない
○腰椎屈曲角度の平均(WoosleyとNorton):56.6°
○椎体間の屈曲—伸展の可動範囲
・上部胸椎;4°
・中部胸椎;6°
・下部胸椎;12°
・上部腰椎;12°
→1分節下降するごとに約1°ずつ増え,第5腰椎と第1仙椎間では約20°の最大可動域
に達する
○最大屈曲位では脊柱起立筋が活動しないため,筋や靱帯のなかの他動的要素に対して
ストレスがかかる
○最大屈曲位で約20分間伸長を行うと,軟部組織のクリープ現象によって,約5°可動
範囲が増大する(伸長位から正常なアライメントに戻すと,2分以内にもとの堅さの
50%は回復するが,完全に元の堅さに戻るためには30分以上が必要)
○持続的な姿勢保持は軟部組織の性質に変化を起こし,アライメントを変える関連因子
となる可能性があることを示唆している