アキレス腱炎(achilles tendinopathy,paratenonitis)について
○病態
・アキレス腱自体の炎症
※1 アキレス腱周囲炎:アキレス腱の腱傍組織であるパラテノンの炎症
※2 アキレス腱実質部は血行が乏しく炎症は生じにくいが,過度の負荷や加齢変化
で変性を生じる
・スポーツ障害やオーバーユース(使いすぎ),加齢変化などを原因とする
※1 長距離ランニング,ダッシュ,ジャンプなどによる
・アキレス腱炎とアキレス腱周囲炎を区別するのは難しい(併発する場合もある)
・アキレス腱付着部の2~8cm上で生じる
・疼痛(圧痛),腫脹,足関節の他動背屈,足関節底屈筋力低下がみられる
※1 自動運動時に捻髪音が生じることもある
○治療
・局所の安静を図り,少しヒールのある靴(踵部を高くした足底板)を履き
アキレス腱への負荷を軽減する
・副腎皮質ステロイドの局所注射は腱断裂を惹起することがあり禁忌
・疼痛が著しい場合にはパラテノンの郭清術や再建術を行う
○力学的ストレスについて: