後頭下筋群 ～小後頭直筋について～
小後頭直筋：Rectus capitis posterior minor m.
1．起始停止
起始：環椎後突起
停止：下項線
神経：後頭下神経 髄節：C1の後枝内側枝
作用：環椎後頭関節の伸展
片側が働くと，同関節を同側へ側屈
筋連結：大後頭直筋（腱）と連結している
2．解剖学的特徴
平坦な三角形をしているが，大後頭直筋よりも短く，深部にある．
椎骨動脈の筋枝，後頭動脈の下行枝と後頭下神経の支配を受ける
3．機能的特徴
環軸関節の側屈としての機能は，上下頭斜筋よりも有効ではない
環椎後頭関節においては，片側が働くと側屈に働く
環椎後頭関節と環軸関節の両方を片側収縮で回旋させる
※１：回旋後に，そこから中間位へ戻す際にも役立つ
※2 ：下頭斜筋の収縮と合わせて12°回旋できる
環椎後頭関節と環軸関節の両方において両側収縮で過伸展を発生させる
4．臨床症状
頸椎捻挫では，大後頭直筋と小後頭直筋の筋間のsluggingに因って生じる不定愁訴が
最も長期化する
後頭下筋群の評価と治療
