頸椎症性神経根症・頸椎症性脊髄症について
○病態
・椎間板退行変性が基礎:年齢とともに顕著に認められる
1)椎間腔の狭小化 2)椎体辺縁(特にLuschka関節)の骨硬化・骨棘形成
3)椎間関節の狭小化
・変形性頸椎症:頸椎可動域制限,頸部痛,こり感などの局所症状を呈した状態
※この状態に神経根症状を呈すると頸椎症性神経根症,
脊髄症を合併した状態を頸椎症性脊髄症
両者の合併した脊髄神経根症が生じることもある
・後発高位:中下位頸椎
※高齢者で胸椎の後弯進行に伴い,頸椎前弯が増加しC3/4・C4/5高位に不安定性や
すべりが発生して脊髄症を引き起こす
○自覚症状・他覚的所見
・頸椎症状:頸肩部の疼痛や運動制限
※椎間板および椎間関節の変性などにより
・神経根症状:神経根圧迫症状
上肢のしびれ,放散痛,感覚異常
Jacksonテスト,Spurlingテスト陽性
神経脱落症状
感覚鈍麻,脱失 上肢の脱力
萎縮筋の線維束攣縮
・脊髄症状:手指の巧緻運動障害
下肢腱反射亢進 病的反射亢進 痙性歩行障害
神経因性膀胱
○保存療法:6~8週間程度の保存的治療(安静,投薬,頸椎牽引)
頸椎の安静を目的に頸椎カラーを使用
疼痛:消炎鎮痛の服薬 温熱療法
神経根障害に対してブロック療法も有効
○手術療法:適応;保存的治療に抵抗性の進行性麻痺および耐え難い疼痛
前方除圧・固定術と後方除圧術に大別される.
※後方除圧術の一つに椎弓形成術;Laminoplastyがある
頸椎椎弓形成術:Laminoplastyについて|PT51108005|note
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