Fascia(ファシア)について
○概念・定義
日本整形外科内科学研究会によると,
1.fascia(ファシア)は「線維性の立体網目状組織」であり、以下の3種を含む
概念である:
①システム(系)『fascia system』
②マクロ解剖の臓器(構造)『A fascia』
③ミクロ解剖の線維『fibrils』
2.国際的には,『fascia system』および『A fascia』は区別して定義されている
3.ミクロ解剖の観点の線維性構造は「fascia system」にも含まれるが,構造として
の”用語”ではないため,別途「fibrils(線維)」という用語を適応させた
4.上記2の観点において,fasciaを「ネットワーク機能を有する『目視可能な線維
構成体』」と表現しています(医学用語としての定義)
※ここでいうネットワーク機能とは,各組織や器官を繋ぎ・支え,知覚する
システムのことです.Fascia(ファシア)には,筋膜Myofasciaに加えて腱,
靱帯,神経線維を構成する結合組織,脂肪組織(脂肪体含む),
腹膜・胸膜・心膜・髄膜など内臓を包む膜様構造物など骨格筋と無関係な
部位の結合組織を含みます.そして,その線維配列と密度から
整理されます。
5.上記4をさらに平易に説明するために,「全身にある臓器を覆い,接続し,
情報伝達を担う線維性の立体網目状組織.臓器の動きを滑らかにし,これを
支え,保護して位置を保つシステム」と表現しています
(一般用語としての「ファシア」)
6.筋膜:個々の筋線維,筋肉または筋肉群を包み,互いを分割および連結する
線維性組織.筋や関節の動きを滑らかにしつつも,これらを制御して
位置を保つ.
線維性結合組織の総称としてとらえると良いと考えます
○結合組織:connective tissue2)
1.線維状の蛋白質に富む組織で器官の間隙を満たしているもの,靭帯や腱を支持
するものなどがある
2.狭義の結合組織:線維性結合組織,膠様組織,細網組織,脂肪組織
特殊に分化した結合組織:軟骨組織,骨組織,血液とリンパ
2つを総称して,支持組織ともいう
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