理学療法士 国家試験復習&臨床まとめ

国家試験の解答と解説をnoteも用いながら行います.自己学習の意味も兼ねてです.また,研修で学んだことなども随時のせていきます.疑問や,意見などございましたらよろしくお願い致します.

臨床

脊椎分離症,脊椎すべり症、脊椎分離すべり症について

○脊椎分離症:spondylolysis ・腰椎椎弓を構成する上・下関節突起の間の関節突起間部の連続性が断たれた状態 ・成長期の過剰なスポーツ活動による椎弓の疲労骨折 ※特に腰椎の伸展や屈曲による荷重が関節突起部に加わることで生じる ・多くはL5に発生し,X線…

ACLの解剖とその周囲組織について

○前十時靱帯:Anterior cruciate ligament ・起始:大腿骨外顆内側後方 停止:脛骨顆間結節内側 (前内側に走行) ・長さ:約35㎜ 直径:約11㎜ ・前内側線維:anteromedial band ・後外側線維:posterolateral band ※後外側線維がACLの主要な要素である 前…

ファベラ腓骨靱帯:Fabello-fibula ligament(FFL)

○起始:ファベラ(膝関節後外側にある種子骨) 停止:腓骨頭後縁 制動:膝関節伸展と外旋で緊張 ○膝関節の後外側角を構成(後外側支持機構の1つ) ○円筒状の比較的しっかりした線維束 ○軽度の膝関節屈曲拘縮+歩行時下腿外旋不安定性 =ファベラ腓骨靱帯の関…

回旋筋腱板の評価と施術法 ~棘上筋~

○棘上筋:Supraspinatus muscle 起始:肩甲骨棘上窩 停止:上腕骨大結節の上面(superior facet) 支配神経:肩甲上神経(C5・C6) 作用:正常位において収縮すると肩関節の挙上 水平位において収縮すると上肢の挙上 触診 ・筋腹レベル ①上背部を手掌で軽く…

脊柱管狭窄症について

○頚椎症性脊髄症の脊柱管前後径について Arnold:12mm以下で頸椎症性脊髄症 Wolfら:10mm以下で頚椎症性脊髄症 Adamsら:9〜15mm(平均は11.8mm)で頚椎症性脊髄症 Burrows:健常欧米人C3-716〜18mm Murone:日本人男性は欧米人よりも1.3〜3mm小さい 頚椎症…

頸椎症性神経根症・頸椎症性脊髄症について

○病態 ・椎間板退行変性が基礎:年齢とともに顕著に認められる 1)椎間腔の狭小化 2)椎体辺縁(特にLuschka関節)の骨硬化・骨棘形成 3)椎間関節の狭小化 ・変形性頸椎症:頸椎可動域制限,頸部痛,こり感などの局所症状を呈した状態 ※この状態に神経根症…

頸椎椎間関節障害について

○脊椎痛に椎間関節障害が占める割合:慢性頸部痛の5~6割は椎間関節由来 ○年齢別の椎間関節障害:18~30代と若い人 ○Facet synovial fold classification:滑膜ヒダには4タイプある ※滑膜ヒダは侵害受容器として痛みを拾う ○椎間関節には神経がきている ○椎間…

成長期内側型野球肘について

○定義 Brogdon:骨端線閉鎖前の骨端線離開 ※それに対して,Jobeはいろんな病態を含んでいると定義している ○疫学 7~13歳の少年野球やっている子ども達の17%~30.5%に肘の痛みがあった. (2~3割くらい) 画像診断:内側上顆に骨・軟骨障害,肥大化,不正 → X…

胸郭出口症候群:thorax outlet syndrome;TOS

○胸郭出口:鎖骨,前斜角後部,中斜角筋前部,第1肋骨で囲まれた部分 →この部分を腕神経叢と鎖骨下動静脈が通る =圧迫されると症状が出る ○原因:①解剖学的異常:胸郭出口での奇形 ②機能的異常:姿勢など 斜角筋症候群,過外転症候群,肋鎖症候群,頚肋症候…

足関節(背屈制限)拘縮の診方とアプローチ

○下肢運動連鎖 膝関節外反ストレス:大腿骨内旋ー脛骨内旋ー足部回内 膝関節内反ストレス:大腿骨外旋ー脛骨外旋ー足部回外 太字の運動連鎖は一定だが,下腿より上位の運動連鎖は一定しない ○距骨下関節でおこる機能的脚長差 距骨下関節回内:距舟関節・踵立…

筋皮神経の解剖について

○筋皮神経:musculocutaneous nerve ・第5~7頸神経前枝,つまり腕神経叢の外側神経束に始まる ・烏口腕筋から上腕筋,上腕二頭筋を通り,上腕外側縁に出る ・肘窩で皮下に出て最終枝の外側前腕皮神経となる ・前腕掌側外側面,背側 結帯動作時痛の解釈|PT5…

肘関節内側組織の起始停止

○内側側副靱帯:ulnar collateral ligament ・前斜走線維:anterior oblique ligament;AOL 起始:上腕骨内側上顆腹側 停止:尺骨鉤状突起の内側面 ・後斜走線維:posterior oblique ligament;POL 起始:上腕骨内側上顆背側 停止:尺骨肘頭の内側面 ・横走線…

上腕骨骨幹部骨折について

○定義 ・骨幹部または骨幹中央に生じ,関節内骨折や,近位・遠位の骨端線損傷を合併しないもの ・骨折した高位により作用する筋力が異なり,違った転位の様式を示すため,解剖学的な位置関係によってこれらの骨折を分類することが有用 ・開放,閉鎖骨折,横…

足関節底屈制限に関する治療② ~第3腓骨筋~

第3腓骨筋:peroneus tertius 起始:腓骨前縁遠位部 下腿骨間膜 停止:第5中足骨底の背面 (長趾伸筋腱) 走行:EDLの外側を並走する ※ここで圧痛所見を確認する 作用:足関節背屈 回内 外転 第3腓骨筋は腓骨前縁遠位部に付くが,そこから下の部分が長趾伸筋…

足関節底屈制限に関する治療① ~前脛骨筋~

前脛骨筋:Tibialis Anterior 起始:脛骨外側面,下腿骨間膜の上部 停止:内側楔状骨,第1中足骨底底面 走行:脛骨前縁の外側,下腿の最表面 作用:足関節背屈,回外 足関節底屈制限に関する治療①|PT51108005|note ※noteに文章でやり方は書いていますが,…